「すべての人よ主をたたえよーテゼ共同体の歌」(サンパウロ)
「すべてのひとよ主をたたえよ―テゼ共同体の歌」は、現在は唯一のテゼ共同体の日本語の歌集(67曲収録)です。一時期、在庫切れで入手困難になっていましたが、今はまた入手できるようになったようです。(追記: 2015年2月現在、また在庫切れになっています。)
短い解説と祈り集も
歌の楽譜に先立って、テゼの歌についての説明、テゼのスタイルによる祈りの構成、祈りの場を整えるときに気をつける点、ギターコードについてが簡単に解説されています。
テゼ共同体やテゼの祈りのスタイルについてほとんど知らないという方も、これ一冊だけで、最低限必要なことがわかるようになっています。
また創立者のブラザー・ロジェの祈りが集められたページがあり、これらは祈りの中で朗読して用いることができます。
ギターのコードが嬉しい
楽譜にコードが併記されていることも、日本語の歌集の特徴のひとつです。テゼ共同体はいろいろな言語で楽譜を出版していますが、コードが併記されている会衆用の楽譜はとても珍しいです。(おそらく日本語版だけ。)
テゼの歌にはクラッシック・ギターの美しい伴奏がついており、アレンジ譜は別途出版されています。けれども、コードによる簡易な伴奏をつけるだけなら、伴奏譜を買わずに歌集だけで済むので、ありがたい配慮だと思います。
ローマ字読みが併記
もうひとつ日本語の歌集に加えられている工夫は、ページの下の方にローマ字読みが併記されていることです。小さなことですが、これも他のテゼの歌集にはない点だと思います。
以前、テゼからブラザーが来日された時に祈りに参加したのですが、そのときにブラザーが流暢な日本語で歌っておられて、とてもびっくりしたことがあります。日本語も話されるのかと思ったら、歌集のローマ字表記を見ておられたのでした。
もともとテゼの祈りは、言語が違う人とともに祈るにはどうしたらよいかという模索の中で生まれた祈りのスタイルです。日本でも、言葉の異なる人で祈る機会は少なくありません。日本語が読めない方々と一緒に祈るときに、このローマ字表記がとても役立ちます。
フランスの歌集との違い
テゼ共同体は、毎年選曲を見直して、イースター頃に新しい歌集を出版します。一方、1999年に出版された日本語の歌集には、ここ15年ほどの変更が反映されていないので、最新のテゼの歌集とは収録曲がずいぶん異なっています。
そのため、日本語の歌集は、すでにテゼ共同体の原曲の歌集から除かれて、楽譜が入手できなくなった歌がたくさん含まれている、貴重な楽譜集となっています。
15年のうちに新しく作曲された歌は、すでに一部が日本の祈りの集いでも歌われています。これらの新しい曲を収めた歌集も、今後続編として出版される予定だそうです。
