主要なテゼの楽譜集

今後祈りの集いをやってみたいという人のために、主要な楽器譜集についてまとめてみようと思います。ただ、楽器譜集を入手するに前に、いくつか知っておいた方がよいかなという点もあります。


よくある例ー楽器が多すぎて歌が聞こえない

テゼの楽器譜には、たくさんの楽器パートが書かれています。楽器をたくさん用いるのは、テゼの国際大会やワールド・ユース・デーのような、数千・数万人の大きな集いのみです。

20-30人の集いで、リコーダー、フルート、クラリネットにトランペット……これは明らかに楽器が多すぎます。3つも4つもの楽器は必要ありませんし、ギター以外の楽器は、特になくても構いません。

日本の集いは、規模としてはもっとも小さい部類です。楽器譜集にも書かれていますが、小さな集いの楽器編成は「ギターとギター以外の楽器1つか2つ」です。楽器が足りないことを心配するよりも、むしろ楽器が多すぎないか気をつけた方がいいと思います。

楽器が多いことの弊害は、別の機会に説明します。

よくある例ー演奏スキルが足りていない

楽器の奉仕者は、誰でもよいわけではありません。一定の技術が必要になりますが、その点も楽譜集には書かれています。テゼの楽譜集が対象としている演奏者は、「上手なアマチュアの音楽家」の範囲に相当する方です。

現在のテゼの音楽を確立したブラザー・ロベールの文章にはより具体的に書いてあって、「アマチュアの中級者以上からセミプロ」程度の人が想定されています。

メロディー自体はそれほど難易度は高くないので、つい初心者でも挑戦したくなってしまうものですが、単純なメロディーほど素の技術が如実に表れてしまうものです。共同の祈りは練習の場ではないので、楽譜どおりに美しく演奏できるまでは、家で研鑽を積む必要があります。

何のために楽器を入れるのかというと、一番大切な会衆の歌をサポートするためです。祈りの妨げになるようでは、入れる意味がありません。そのような奉仕者がいない場合は、無理に楽器を入れる必要はないと思います。

自宅では、「テゼ インストゥルメンタル」のCDを聞きながら練習し、練習の様子を録音して自分でも聞いてみると、自分の演奏が音やリズムを外していないか客観的に確認することができます。


それでは、主要な楽器譜集について説明したいと思います。下記のギター譜・楽器譜集でほとんどの曲は網羅できます。この他の楽器譜集を書店で見かけることがありますが、まずはこれらの楽譜集入手してから、他のものが必要かどうか判断すればよいと思います。


ギター譜(2008年出版)

「Song from Taizé : Guitar accompaniments」
「Chants de Taizé : partitions pour guitare」
「Chants de Taizé (Songs from Taizé) - Guitar book」

(多言語表記のため、サイトによって題名が違いますが上記は同じ楽譜集を指します。)
  • ギター譜:Annamária Kertész(曲・歌詞:Ateliers et Presses de Taizé)
  • 出版社:  Les Presses de Taizé
  • 発売日: 2008年4月30日
  • ISBN-10: 2-8504-0244-3
  • ISBN-13: 978-2-85040-244-9
  • 定価: 25 euro  
ギター伴奏に特化した楽譜集はこの一冊のみです。テゼの定番の曲から選んだ87曲につき、旋律伴奏のアレンジ譜が載っています。(他の器楽譜集に載っていないアレンジが載っています。)

コード、クラシック形式の旋律伴奏が複数含まれています。一番簡単なアレンジにはタブ譜、カポタストを使った場合の楽譜があり、そのほかにも難易度は初級~上級者向けまで、複数のアレンジ譜が含まれます。

また、テゼの曲には、ソリストの先唱ではじまるものがありますが、そのような曲でギターがどのように歌いだしのコードを出すか、冒頭の始まり方、終わり方といった細かい点まで書かれています。

英語ではありますが、前書きにはテゼのギター伴奏について具体的な注意点も書かれていて、ギターの伴奏をする人は必携の本と言えます。

この本の表紙は、2001年出版の楽譜集(黄色い本)と一見同じに見えます。内容・収録曲が違うので、購入の際には間違えて買わないようにお気を付けください。

楽器譜集(2001年出版)


「Song from Taizé : Instrumental Parts」
「Chants de Taizé : parties instrumentales」
「Chants de Taizé (Songs from Taizé) - Instrumental Spiral Edition」

(多言語表記のため、サイトによって題名が違いますが上記は同じ楽譜集を指します。)

  • Ateliers et Presses de Taizé(ギター譜:Annamária Kertész)
  • 出版社:  Les Presses de Taizé
  • 発売日: 2001年8月25日
  • ISBN-10: 2-85040-185-4
  • ISBN-13: 978-2-85040-185-5
  • 定価: 25 euro  
日本のキリスト教書店でも購入できる、黄色い本です。71曲について、伴奏譜が付いています。
(オルガン(キーボード)、ギター、リコーダー、フルート、フルート・デュオ、オーボエ、クラリネット、イングリッシュ・ホルン、ファゴット、トランペット、ホルン、トロンボーン、チェロなど)

楽器譜集(2007年出版)

「Christe Lux Mundi: Instrumental Edition」
  • Ateliers et Presses de Taizé(ギター譜:Annamária Kertész)
  • 出版社:  GIA Publications, Inc.
  • 発売年: 2007年
  • ISBN-10: 1-57999-694-9
  • ISBN-13: 978-1-57999-694-9
  • 定価: 15 euro
「Christe lux mundi」という楽譜集には、楽器の伴奏譜が載っている「楽器版」(Instrumental Version)の他に、同じ名前で「会衆版」(Assembly Version)、「歌のソロ版」(Vocal Version)があるので間違えて別のものを買わないように気をつけてください。