祈りを企画する: 曲を選ぶには


好きな曲を何でも選べるわけではない

テゼには、たくさんの曲がありますが、どのように曲を選ぶのかについてはあまり知られていないように思います。

聖書箇所やテーマに沿ってさえいれば、好きな曲を何でも選べるのか?実際には、そうではありません。状況によって「選べるもの」、「選ばない方がよいもの」があるのをご存じでしょうか。

オーケストラ用に書かれた壮大な歌を四重奏で再現するのが難しいように、全体の人数やソリストの有無、楽器の編成によって、相応しい選曲は違ってきます。


少人数に適さない曲

テゼの歌の多くは、数名でユニゾンで歌っても美しく、人数によってパートに分かれて歌うと深みが生まれてさらに美しいです。また、人数や奉仕者によっては、 歌のソロや様々な楽器のパートを入れて展開することも可能です。

そのような自由さがある一方で、少人数で歌うには適さないという曲もあります。大人数で歌うことを想定して作られた歌です。


典型的な大人数向けの曲

それでは、大人数向けの曲かどうかはどうやって見分けるのでしょうか。一番簡単な見分け方としては、歌詞に「おー」という箇所がある曲は、ほぼ確実に大人数向けの曲だということです。

テゼの歌の中には、会衆とソリストが掛け合いのようにして交互に歌う曲がかなり沢山あります。会衆が「おー」と歌っている間に、重ねてソリストが別のメロディーを歌います。これらは「オスティナート・リフレイン」という種類で、大規模な集いの向けの曲です。

例えば、次の歌がオスティナート・リフレインで、歌うには一定の人数とソリストが必要です。小さな集いでは選ばない方がよいと思います。
  • 主をたたえよ (Bénissez le Seigneur) - 歌集16番
  • 主をほめ歌え新しい歌 (Singt dem Herrn) - 歌集20番
  • 主を待ち望もう (Notre âme attend) - 歌集27番
  • イエス・キリスト いのちの泉 (In te confido) - 歌集29番
  • 聖なる霊よ 心の光 (Veni lumen (choral)) - 歌集43番
  • 歌え 主に歌え (Psalilite Deo) - 歌集55番
  • キリストよみがえりぬ (Surrexit Christus) - 歌集56番


ソロなしで歌うことはできるのか

オスティナート・リフレインは、ソロのパートが加わって初めて一つの歌として完成します。歌えるソリストがいない場合には、この種類の曲は選曲から外します。ソロをいれずに歌うということは、基本的にありません。

それは、ピアニストがいないのにピアノ協奏曲をやるようなもの。または、例えばデュエットの曲なのに片方のパートだけを歌うようなものですから・・・。

唯一の例外は、「おー ともに主をたたえん」です。この曲はオスティナート・リフレインですが、ソロなしで歌う場合があります。

ソロがいるだけではなくて、一定以上の人数がいることも重要です。30人未満の小さな集いで会衆が歌をあまり知らない場合、この種類の曲は選ばない方がいいとわたしは思います。


まとめ

小さな集いのための選曲については、後日詳しく説明したいと思います。まずは、大人数なら大人数で、少人数なら少人数で美しく祈るために、それぞれ相応しい選曲があるということを知っていただけたらと思います。