CD: テゼ インストゥルメンタル1 (サンパウロ)


「テゼ インストゥルメンタル1」(サンパウロ)

テゼ インストゥルメンタル1

このCDアルバムは、テゼ共同体が、音楽の奉仕をする人がいない少人数の祈りの集いを支えるために2002年に制作したものです。テゼの歌はアカペラで歌っても美しいのですが、無伴奏はちょっと……という人のための、楽器の演奏だけのアルバムです。旋律パートが木管楽器(フルート・オーボエ・クラリネット)、伴奏パートがクラッシック・ギターで演奏されています。


用い方はさまざま

アルバム名となっている「インストゥルメンタル("instrumental")」は、「〔声楽部のない〕器楽曲」という意味です。でも、あまり一般的な馴染みのある言葉ではないかもしれません。てっきり歌のアルバムだと思って買ってしまって、聴いてみると楽器だけでがっかりしたという友人がいました。(けれども、よく聴いてみるとその演奏が素晴らしいこと!やはり買ってよかったと思ったそうです。)

実は、わたしはこのCDを一番よく聴いています。歌詞がないので、BGMとして流しておいても妨げになりません。また例えば、寝る前にこれを聴きながら黙想をして過ごすのもよいと思います。これならクリスチャンでない家族に気兼ねすることなく聴くことができるという人もいます。

小さな祈りの集いなどで、人数が少なすぎて歌うのが難しい場合や伴奏できる方がいない場合に、このCDを用いることができます。祈りの場所でかけておいてもよいし、歌える人がいたらCDの伴奏に合わせて歌ってみてもよいと思います。


小さな集いのお手本に

テゼの曲の一部には、歌うのにソリストが必要となる種類のものがあります。それらは大規模な集い向けの歌なのですが、そのことがあまり知られていないため、日本では少人数の集まりにもかかわらず、ソロを必要とする大きな集い向けの曲ばかり選ばれてしまうという場合がよくあります。

このアルバムは、ソロを歌う人がいなくても、少人数で美しく歌える種類の歌が選曲されています。また、そのお手本として、同じ収録曲をわずか16人の少人数で歌っている、歌のアルバム(「Laudate omnes gentes」)があります。

このふたつのCDは、世界中で行われている小さな祈りの集いを覚えて、テゼで最初に作られたアルバムで、日本で行われているような小さな祈りの集いのお手本として、とても参考になります。このように人数が少なくとも、単純素朴で美しい祈りが可能なのだなと励まされます。


祈りあふれるギターの伴奏

そしてこの録音で特筆すべきは、なんといっても、クラッシック・ギターを弾いているアナ・マリア(Annamária Kertész)さんの伴奏が素晴らしいことです。この方のギターを表現するには、「謙虚」("humble")という一言に尽きます。祈りの呼吸に注意深く耳を澄ませながら、一つひとつの音を大切に奏でる方です。私たちの巡礼の旅に寄り添いながら、一緒に歩いてくれるような、とてもテゼらしい伴奏です。

ハンガリー人の彼女は、テゼの昔からの親しい友人の一人で、テゼの曲のクラッシック・ギターのアレンジ譜も作曲しておられる方です。また彼女は、テゼの「テゼ―歌によるいのり」(1996年/サンパウロ)というビデオで、自分の家庭や地域でテゼの歌による黙想と祈りの集いを続けるお一人として紹介されています。


収録曲
  1. すべての人よ 主をたたえよ / Laudate omnes gentes
  2. 聖なる霊よ 愛の火を / Tui amoris ignem
  3. わたしの助けは神から来る / L'ajuda em vindrà del Senyor
  4. わが心 たたえよ主を / Bless the Lord
  5. あがめよ たたえよ (マニフィカ) / Magnificat (canon)
  6. いつくしみと愛の / Ubi caritas
  7. イエス 内なる光 / Jésus le Christ
  8. 主はよみがえられた / Surrexit Dominus vere 
  9. 主よ 注いでください / Tu sei sorgente viva
  10. とわにたたえて歌え / Misericordias Domini
  11. 神の国は /  The kingdom of God
  12. 恐れるな、わずらうな / Nada te turbe
  13. グロリア いと高き主に / Gloria... et in terra pax
  14. 目覚めてとどまれ / Bleibet hier
  15. イエスよ み国に / Jesus, remember me
  16. 天と地は喜び歌え / In resurrectione tua
  17. み子キリスト / Christe Salvator
  18. ほめたたえよ / Benedictus
  19. 平安のみ言葉のうちに / Nunc dimittis
(※ 上記の日本語名は、現在日本で歌われている歌詞に合わせているため、アルバムのジャケットに記載の曲名と一部異なるものがあります。)

入手方法

このアルバムは、日本ではサンパウロから出版されており、キリスト教書店またはインターネットで購入することができます。

テゼ インストゥルメンタル1(Taize-Instrumental 1) [CD] [サンパウロ] 定価 2,100円 (税込)

http://www.paulus.jp/product/2329


参考情報
  • テゼのクラッシック・ギター譜は、フランスのテゼで直接買う他に、下記の出版社から取り寄せることができます。
  • 『テゼ―歌によるいのり』(VHS 48分/日本語版制作 サンパウロ、1996年): テゼの歌が生まれた経緯やその意義、それぞれの場所でテゼの歌による祈りをする際のヒントが紹介されているビデオです。現在は在庫切れで入手困難となっています。

テゼの著作物



テゼの著作物について

テゼの楽譜、録音、著書、動画には、テゼの善意によって無料で公開されているものが実にたくさんあります。このブログでは、これらの著作物の利用方法・入手方法についても、分かる範囲でご案内していきたいと思います。

これらの著作物(楽譜・テキスト・音源など)は、無料で公開されているのだから自由にしてよいのでは……と思われるのかもしれません。テゼの著作物の複製・再配布、そしてテゼの歌の録音については、一定の方針が設けられていることにご留意ください。

以前、テゼの歌を録音した自主製作のCDが教会によって販売されているのを見かけたことがありますが、たとえ自分たちで演奏したものであっても、こうした利用にはAT&P(テゼ・アトリエ出版局)に許可を得て著作権をクリアすることが大切だと思います。

もうひとつ確認したいのは、楽譜や音源などの著作物で市販されているものは、テゼに協力している奉仕であっても、プライベートで使うものはできるかぎり自分で購入している人がほとんどということです。

テゼの著作物は、質素な労働と祈りの生活に身を置いているブラザーたちを支えている糧のひとつです。その多くを無料で配布しているブラザーたちに感謝します。その善意を尊重するかどうかは、わたしたちの良心にかかっているのかもしれません。

これらのことを少しだけ心に留められたらと思います。


参考情報

・Copyright information (Taizé) - http://www.taize.fr/en_article114.html



このサイトについて


テゼ共同体について何となく知っているものの、もっと深く知りたいという方のための案内サイトです。

近頃ますます広まりつつある「テゼ」。このフランスの修道会で生まれた祈りのスタイルを模して、日本でも全国各地で歌と黙想による祈り(黙想と祈りの集い)が行われるようになっています。

テゼ共同体に関連するCDや書籍を手に入れることが容易になり、多くの人が手に取る機会が増えている一方で、それらについて日本語で紹介したものはあまりないようです。

そこでこのブログでは、テゼについてより深く知りたい方に向けて、参考になりそうな情報を勝手気ままにまとめてみたいと思います。

なるべく信用できると思われる情報をもとにしていますが、お気づきの点などあれば、教えてくださったら嬉しいです。

もくそう 



テゼ共同体とは
  • フランスにある超教派の男子修道会。観想の生活と苦悩する人々との連帯を生きる。 
  • 人生の意味と希望を求めて、多くの若者が集い、共に祈り観想しながら、 新しい出発へと招かれる場。 
  • 分裂した世界に一致を求め、世界各地の教会とその青年たちと連帯しながら 「信頼の巡礼」をすすめる。


  • このブログはテゼ共同体を紹介していますが、テゼ共同体のウェブサイトではありません。内容には個人の感想が含まれています。
  • テゼ共同体とは別に、日本の教会が独自に企画する祈りの集いについては、こちらでは触れていません。予定表などの情報が「黙想と祈りの集い」の公式ブログに載っています。
  • 紹介するCD・楽譜・書籍について、ジャケット画像にも著作権があるため、原則的にAmazonアソシエイト提供のブログ用画像やウィジェット機能を用いています。そのため、リンク先には広告が含まれる場合があります。ご了承ください。