テゼを訪問する: 「旅程を考える前に」


フランスのテゼ共同体は、約100名のブラザーからなる男子の観想修道会ですが、年間10万人を超える若者が訪れるヨーロッパ有数の巡礼地でもあります。年齢によって訪問できる時期・期間・人数などが違いますが、基本的には誰でも訪問することができます。

そこで、テゼへの旅について、日程の立て方について書いてみようと思います。(これは、テゼの正式な見解ではなく、個人の体験と伝聞に基づくものです。直近の状況と異なる可能性があることをご注意ください。)


一週間単位のプログラムがネック

Photo: Creative Commons - Leslee Lazar
訪問者は、日曜日から翌日曜日の一週間単位で受け入れられ、決まったプログラムに沿って過ごします。しかし、日本からの訪問する人にとって、この日程がネックになってなかなか気軽に行けないということがあると思います。

テゼでもっとも大切な礼拝である日曜日のユーカリストは昼頃に終了します。その後バスが出るのは13時26分(2014年9月時点)です。上手く乗り継ぎをしてその日中に飛行機に乗ったとしても、時差があるために帰国は月曜日の夕方以降になると思います。

つまり、土日休みの方の場合、平日6日の計10日以上続けて休む必要があります。実際に、仕事を持つ人は、それほど長期の休みが取れない人が多いのではないでしょうか。


週末を中心にテゼで過ごす

そんな場合は、木・金・土・日をテゼで過ごせるように旅程を考えるといいと思います。できれば3日は滞在することをお勧めします。

テゼでは一週間が聖週間のようになっており、特に金・土・日の3日が重要です。金曜日の夕には「十字架を囲む祈り」、土曜日の夕には「光の祝祭」があり、そして日曜日の「ユーカリスト」で終わります。訪問者は一週間を通じて、キリストの受難を覚え、復活の喜びをともに祝います。


より短期の滞在は可能か

テゼ自体は少なくとも3日間以上滞在することを勧めています。より短期での滞在は断られる可能性が高いですが、聞くだけでも聞いてみたらいいかもしれません。その場合、どうしてもその日程しか無理なのだということを丁寧に説明する必要があると思います。

日帰りでの訪問は可能といえば可能ですが、お勧めしません。パリからテゼへの移動は、どんなに上手く乗り継いでも、片道3時間ほどはかかります。参加できる可能性があるのは、比較的短い昼の祈りだけ。バスの終電の時間に間に合わないので、一日でもっとも重要な夕の祈りには参加できません。

テゼは巡礼地ではありますが、テゼという場所に何か特別な力が働いているわけでも、聖地やパワー・スポットというわけでもありません。ただブラザーたちが祈りの生活を送っていて、その修道生活に触れることができるというだけです。

数時間の滞在で何かが変わるということでもなく、ある程度の期間、そこで祈りの生活を過ごすことが大切なのかなと思います。


一週間の流れを把握しておく

テゼでの毎日は基本的には以下のとおりです。これは青年の訪問者のスケジュールで、人によって若干の違いがあります。(2014年9月現在の情報)


月曜日から金曜日のスケジュール

08:15   朝の祈り。その後、朝食

10:00   テゼのブラザーによる講話。その後、黙想または小グループの分かち合い

12:20   昼の祈り。その後、昼食

14:00   歌の練習(自由参加)

午 後   小グループの分かち合い、またはワーク・グループ

17:15   お茶の時間

17:45   テーマ別ワークショップ(火曜日以降)

19:00   夕食

20:30   夕の祈り(深夜まで祈りの歌が続き、その後は夜の沈黙)

金曜日の夕の祈りの後は、「十字架を囲む祈り」


土曜日

15:15   テーマ別ワークショップ

20:30   夕の祈り(キャンドルとともに過越しの神秘を祝う)

(食事と祈りの時間は、月~金と同様)


日曜日

08:45   朝食

10:00   ユーカリスト(ミサ・聖餐式)

13:00   昼食

19:00   夕食

20:30   夕の祈り

(2014年9月現在の情報)


参考情報