詳しい方はお気づきかもしれませんが、日本で売られているものと違います。実は、お勧めしたいCDの多くは、残念ながら日本で取扱いがありません……。
発売アルバムはテゼと日本で違いがある
ジャケットには2003年と書いてあったりしますが、これは日本での発売年であって、使われている音源はもっと古いものです。90年代、80年代のもの。
特に「カンターテ」は、今のテゼの音楽からは相当古いとものという印象を受けると思います。(貴重な録音であることは間違いないので、テゼ音楽の歴史に興味のある方は、絶版になる前にお求めになるといいかもしれません。)その他の録音は、基本的に現在のテゼの音楽とそれほど変わりません。
古い録音の中で、ぜひ聞いてほしいというものもあります。「ジョイ・オン・アース(Joy on Earth)」は、かなり古い録音ではありますが、収録曲うちジョセフ・ジェリノー神父作曲のものについては、ジェリノー神父が自ら指揮をしていて、貴重な録音です。
また日本では、テゼの音楽をプロの合唱団が歌ったものがいくつか売られています。これらはテゼでは販売されていません。音楽としてはたいへん美しいのですが、テゼで歌われているものとは、歌い方や演出にだいぶ違いがあると思います。テゼでの音楽の考え方を学びたい人にはお勧めしません。
どこが違うのかについては、また別の機会に説明したいと思います。
最初はテゼ制作によるCDがおすすめ
テゼでの音楽の用い方を知りたい人は、まず最初は、テゼ共同体が制作しているものを聞くことをお勧めします。コピーライトが「Atelier et Presse de Taizé」または「A&TP」となっているものが、テゼ共同体によって制作されたものです。
これらはレコーディング・スタジオで録音したものではなく、テゼの和解の教会、テゼ村の小さな教会での祈り、またはテゼのヨーロッパ大会の祈りを録音したものです。
Laudate omnes gentes
日本で祈りを企画する方に特にお勧めしたいのが以下の2枚です。
- 「Laudate omnes gentes」(A&TP)
- 「インストゥルメンタル1」(サンパウロ)
以前、テゼの曲にはソロと会衆が交互に歌う種類の歌(「オスティナート・リフレイン」)があり、これらは大きな集い向けと説明しましたが、このCDにオスティナート・リフレインは入っていません。
(人数が少ないときにソロや楽器を入れると、会衆がつられて主旋律が崩れる場合があるので、参加する人が歌をよく知らない場合は、ソロや楽器は慎重に用いた方がよいと思います。)